5月の満月「ウエサク祭」とは/宇宙エネルギーの鞍馬寺

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5月の満月の日、アジアの仏教にゆかりのある地域では「ウエサク祭」という儀式が行われています。

日本では「ウエサク」と表現するのが一般的ですが、そのほか「ウェーサーカ」「ウエサカ」などとも表現され、各国の言語によってもそれぞれです。

ウエサク祭とは

ウエサク祭はサンスクリット語で「ヴァイシャーカ(インド暦第二の月)」に該当する行事とされています。なんでも、お釈迦様の誕生・悟り・入滅の日がすべてインド暦第二月の第一満月の夜であったという伝承から行われる祭りだそうです。大乗仏教が伝わった東アジアでは、ウエサク祭の代わりに「灌仏会(かんぶつえ=花祭り)」がお釈迦様のお誕生日である4月8日に執り行われるそうです。

良いことも悪いことも増幅するエネルギー

お釈迦様の誕生、悟りを開いた日、入滅(亡くなった日)である5月の満月の夜は、天界のゲートが開いてエネルギーが降り注ぐと言われています。

この計り知れないエネルギーは良いことも悪いことも増幅させると考えられており、ウエサク祭の行われる5月の満月の夜には誠心誠意謹んで世界の安寧を願うべき日だそう。

アジアでも日本でもシャスタでも

ウエサク祭は仏教にまつわるお祭りということで、チベット・タイ・スリランカ・カンボジアなどの東南アジア各地で行われ、国連の公式行事にもなっています。

チベット仏教の聖地であるカイラス山の麓に「ウエサク渓谷」という場所があり、ウエサク祭が執り行われます。ウエサク祭が執り行われる渓谷ということでその名がついたと考えられています。

アジアのみならず、カリフォルニアの霊峰シャスタ山でもウエサク祭は執り行われているそうです。日本において、ウエサク祭といえば京都の鞍馬寺が有名ですね。

鞍馬寺のウエサク祭

京都の鞍馬寺ではもともと、5月の満月の夜には全てのものの目覚めのために天界から強いエネルギーが降り注ぐと言われ、満月に清水を供える秘儀が執り行われていたのだそうです。

やがて、遠いヒマラヤの地でも同じ日にお釈迦様を讃える祭りが執り行われていることを知り、その秘儀を「ウエサク祭」と呼んで公開したとのこと。

鞍馬寺のウエサク祭では、各人がろうそくに火を灯し、昇る満月に清水を捧げながら、私語を慎んで厳粛に祈りを捧げるのだそう。

鞍馬寺の本尊は三身一体

鞍馬寺の開創は770年。鑑禎(がんちょう)上人が夢のお告げと白馬の導きで鞍馬山に登山した時のこと。山中で鬼女に襲われた際に毘沙門天に救われ、毘沙門天を祀ったことに始まるお寺とされています。

鞍馬寺の本尊は、毘沙門天王・千手観音菩薩・護法魔王尊の三身一体で「尊天」と呼ばれます。神仏の区別を超えた三身一体の本尊であることが特徴的です。

魔王伝説と天狗伝説

鞍馬寺のある鞍馬山はミステリアスな伝承が残っています。まず、650万年前に金星から魔王が降り立ったという「魔王伝説」。魔王と言いますが悪魔のような悪神ではなく、人類救済のためにやってきた神様だそうです。それが尊天の中の「護法魔王尊」です。

スピリチュアルな情報によると、この魔王は金星のアセンデッドマスター「サナト・クマラ」と同一だと言います。「クマラ」と「鞍馬」が似ているし!

そして、牛若丸の「天狗伝説」。鞍馬山で幼少期を過ごした牛若丸(源義経)は、昼間は仏道を修行し、夜は天狗に兵法を授けられたそうな。

尊天は宇宙エネルギー

鞍馬寺は寺なので仏教なのですが、神仏の区別を超えた尊天を始め、古神道・陰陽道・修験道などの山岳信仰の要素も含まれているそうで、仏教の枠組みにとらわれない懐の深さがあります。

三身一体の尊天は「この世に存在する全てを生み出す宇宙エネルギー」とされています。護法魔王尊は大地の霊王で「活力」の象徴、毘沙門天は太陽の精霊で「光」の象徴、千住観音菩薩は月の精霊で「慈愛」の象徴。

尊天に「月のように美しく、太陽のように暖かく、大地のように力強く」とお祈りするそうです。

満月に感じるエネルギー

ウエサク祭は仏教・お釈迦様由来の祭りですが、鞍馬寺でも同日に満月に祈る秘儀を執り行っていたというところが興味深いです。5月は緑鮮やかになる季節ということもあり、古代の人々は5月の満月に「天界のゲートが開く」「命を育むエネルギーが降り注ぐ」といった共通するイメージを受けたのでしょうか。

宗教は異なっても、人間の根底には同じイメージがあるはず。自然や宇宙に生かされていることを感謝し、謹んで共生していく気持ちは共通するはず。きっと結局は同じものを信仰しているのだから、私たち人類は信仰で争う次元から成長しなくてはいけませんね。

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